ハリウッドの中心にある歴史的建造物、ヘンソン・レコーディング・スタジオを訪ねる

ロサンゼルスの中心、映画の都ハリウッド。その中に、少し不思議で、でもとても魅力的なスタジオがあります。その名も「ヘンソン・レコーディング・スタジオ(Henson Recording Studios)」。音楽の歴史が詰まった場所でありながら、カラフルなキャラクターや夢があふれる建物としても知られています。
この記事では、そんなヘンソン・スタジオの場所、歴史、さらには一般公開イベントについても紹介します。
音楽の魔法が生まれる場所:ヘンソン・レコーディング・スタジオとは?
スタジオの所在地:ハリウッドのど真ん中
ヘンソン・レコーディング・スタジオは、ロサンゼルスのハリウッド地区、ラ・ブレア通りに位置しています。住所は「1416 N. La Brea Avenue, Hollywood, CA」。観光地としても有名な「ハリウッド大通り」からもほど近く、街を歩いていると不思議な銅像やカラフルな建物が見えてきます。スタジオの正面には、マペットたちがポーズをとっている大きな像があり、写真を撮る人が絶えません。
建物自体は、ぱっと見ただけでは普通のスタジオには見えません。どこか夢の世界に入り込んだような、ユニークな雰囲気が漂っています。
チャーリー・チャップリンから始まったスタジオの歴史をたどる

サイレント映画の時代から続く伝統
ヘンソン・スタジオの建物は、もともと1917年にあのチャーリー・チャップリンによって建てられた映画スタジオでした。チャップリンは自分の映画を自由に制作するためにこの土地を選び、小さな木造の建物をいくつも建てて撮影に使いました。白黒映画の時代に、多くの名作がここから生まれたのです。
その後、時代が進むにつれて、建物は映画スタジオから音楽スタジオへと姿を変えていきます。1970年代には「A&Mレコーズ」がこの敷地を使い始め、数々の有名アーティストが録音を行いました。
ヘンソンファミリーによる買収
1989年、この歴史的なスタジオを買い取ったのが、あの「マペット・ショー」でおなじみのジム・ヘンソンの家族です。マペットたちの夢と魔法を詰め込む場所として、新たな一歩を踏み出しました。それ以来、「ヘンソン・レコーディング・スタジオ」と名前を変え、音楽と映像、エンターテインメントの拠点となっています。
カーペンターズとこのスタジオの深い関わり

A&M時代に残した名演
1970年代、このスタジオは「A&M Studios」として世界中のミュージシャンに利用されていました。そんな中でも、特に深い関係を築いていたのが、兄妹デュオのカーペンターズです。カレンとリチャード・カーペンターは、このスタジオで数多くのレコーディングを行い、自分たちの音楽を作り上げていきました。
彼らが生み出した「Close to You」や「We’ve Only Just Begun」などの名曲の多くが、まさにこの場所から誕生しています。スタジオ内の音響や環境が、カレンの繊細な歌声とリチャードの豊かなアレンジにぴったりだったといわれています。
今でもスタジオを訪れると、カーペンターズの思い出を語るスタッフが多く、彼らの存在がこの場所に色濃く残っているのを感じることができます。
スタジオBにある“クリスタルハート”の秘密
愛と音楽の象徴として輝くオブジェ
ヘンソン・スタジオの中にある「スタジオB」に入ると、ひときわ目を引くものがあります。それが「クリスタルハート」と呼ばれる、透明なハート型のオブジェです。
このハートは、音楽を心から愛するアーティストたちの想いを表すシンボルとして作られました。ガラスのように透き通ったその姿は、光を浴びるとキラキラと輝き、見る人の心に静かな感動を与えます。
カーペンターズが活動していた当時には、このオブジェはまだありませんでしたが、彼らの代表作『A Song for You』に込められた「あなたへの歌」というメッセージを受け継ぐようにして、後から設置されました。
今ではこのクリスタルハートは、音楽と愛の象徴として、訪れる人々にとって特別な存在になっています。カレンの優しい歌声やリチャードの繊細なアレンジに思いを馳せるには、まさにぴったりの場所です。
マペットたちのホームでもある場所

マペットショーとジム・ヘンソンの夢
ジム・ヘンソンがスタジオを買い取ったことで、この場所はマペットたちの聖地ともなりました。スタジオ正面には、カエルのカーミットをはじめとしたマペットのキャラクターたちが、自由にポーズを取る像が設置されています。中でも、カーミットが自由の女神のように松明を掲げている姿は、多くの観光客の人気スポットとなっています。
「マペット・ショー」や映画版の撮影にも、このスタジオが使われたことがあり、スタジオ内部にはマペットグッズや過去の映像資料も展示されています。子どもから大人まで、夢の世界に引き込まれるような体験ができるのです。
パペットショー開催時には一般開放も

ヘンソン・スタジオは、基本的には音楽制作や収録のための施設なので、一般の人が自由に出入りすることはできません。でも、年に数回だけ「特別公開」の日が設けられています。
『ザ・マペット・ショー』の関連イベントがある時には、「スタジオキャンパス解放」として内部が一般公開されているのです。この日には、スタジオの中に入って歴史的な写真や楽器の展示などを見ることができます。
さらに、マペットたちによるライブパフォーマンスや、音楽業界で働くプロたちによるトークイベントが行われることもあります。実際に音楽が作られた空間を感じられるのは、音楽ファンにとって大きな感動です。
イベントの日程や申し込み方法は、ヘンソン・スタジオの公式ウェブサイトやSNSで告知されます。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
音楽と夢が重なる場所、ヘンソン・スタジオを訪れて
ヘンソン・レコーディング・スタジオは、ただの録音スタジオではありません。チャーリー・チャップリンが夢を追った場所、カーペンターズが心を込めて歌を録音した場所、ジム・ヘンソンがマペットたちと魔法をかけた場所…。それぞれの時代の「夢」と「表現」が、ここには詰まっています。
もしロサンゼルスを訪れることがあれば、ぜひこの歴史的なスタジオの前まで足を運んでみてください。外から眺めるだけでも、その特別な空気を感じることができるはずです。そして、タイミングが合えばキャンパス開放の日に訪れて、建物の中に広がる物語に触れてみてください。
音楽、映画、パペット、そして人々の情熱が重なり合うこの場所には、100年以上続く魅力が今も息づいています。




























































