人物写真の注意点:肖像権を理解してプライバシーを守りながら魅力を引き出す
人物写真は瞬間の美しさや個性を愛おしく捉え、観る者に深い感動を与える素晴らしい力を秘めています。しかしその一方で、被写体の肖像権やプライバシーも軽視できません。今回は、美しさとプライバシーの微妙なバランスを心に留めつつ、人物写真を撮る際の心構えに焦点を当ててみたいと思います。
人物写真では肖像権に注意が必要
人物写真を撮影して最高の出来ばえになると、ブログやSNSに投稿したいという気持ちがわいてくるかもしれません。しかし他人の写真を被写体の許可なくインターネット上で使うと肖像権の問題に発展しかねません。確かにわたし自身も、知らない所で勝手に撮影された写真がネットに出ていたり、友人がわたしの許可なく勝手にアップしていたらとても悲しい気持ちになると思います。
もしもネットに投稿する写真の中に他人が写っている場合、可能なら直接その人から許可をとることをおすすめします。商用ではなく個人のブログやSNSへの投稿ぐらいならきっとその人も気持ちよくOKしてくれることでしょう。
ちなみに、ネットで無料利用ができるロイヤリティフリーな素材も商用での利用はNGとなっていることが少なくありません。どんな目的でどこにアップするのかはよく考えたほうが良いでしょう。
プライバシー権の侵害にならない素材探し
人物写真をネットに投稿する際には顔が写っている人から許可をとるだけでは十分ではないこともあります。それが、プライバシー権の侵害です。例えば、写真からどこで撮影したのかバレると困るという人がいたり、そこから自宅が知られてしまうことも考えられます。個人情報やプライバシーがどんな所から漏れ出すか分かりませんからそうした点には最大限の注意を払うと同時に、どうかなと疑問に感じるのなら投稿しないという決断も必要です。
例えば、何気なく撮影した友達とのバースデーパーティ。窓から見える外の夜景から住んでいる場所を特定されることもあれば、瞳に写り込んだ背景から場所を特定されることもあります。しかもそうした個人を特定しようと狙う人たちは、1枚の写真だけから情報をとるのではなく、過去に撮影してアップした写真や友達がアップしている写真など複数の素材から様々な情報を集めます。それが住所や勤務先、または個人の氏名や生年月日などさまざまな個人情報の流出につながってしまうのです。
個人情報を守りながら人物写真の魅力を引き出すことは可能
人物写真は確かに、個人情報やプライバシーを守るという点では難易度が高めです。しかし、そうした点に注意しながらも人物の魅力を引き出せる写真を撮影することは十分に可能です。それに、人物写真はSNSへの投稿がメインの目的となっていないことも多いので、写真は魅力的だけれどプライバシーの点が心配というときにはその写真は投稿しないという選択肢を選ぶのが良いと思います。